コロナ自粛と学校閉鎖、どれだけ意味あるの?
~中国の論文から~

2020年4月に発表された中国、武漢と上海のデータを解析した論文

Zhang J, et al. Changes in contact patterns shape the dynamics of the COVID-19 outbreak in China. Science.  29 Apr 2020: eabb8001. DOI: 10.1126/science.abb8001.

武漢と上海のコロナ接触者を、流行の前後で調査し分析したレポートです。

中国で強力な行動制限を行った結果、日常的な接触は7-8分の1に減少し、家庭内接触が多くを占めるようになりました。

小児(0-14歳)が感染する割合は成人(15-64歳)と比べて低く(オッズ比0.34, 95%CI 0.24-0.49)、65歳以上の人は成人(15-64歳)と比べて高いことが示されました(オッズ比 1.47, 95%CI: 1.12-1.92)。

このデータからは、中国で実施したような強力な自粛(ソーシャルディスタンス・STAY HOME)は、COVID19の流行を制御できる、というものでした。
一方で、学校閉鎖のみでは、感染の制御は難しいが、流行のピークを40-60%下げて遅らせる事が可能、という結果が示されました。

中国ほど強力な自粛をするのは難しいかもしれませんが、学校閉鎖も組み合わせて流行のピークを下げる、というのは現時点での日本でもある程度成功したと言えるかもしれません。

ただ、これは長期戦です。
今後は、コロナがいる状況で、どのように自分たちの生活を取り戻していくか、というのが課題となりそうです。
またデータがでたら、まとめていきたいと思います。

URL: https://science.sciencemag.org/content/early/2020/04/28/science.abb8001/tab-pdf