咳喘息の原因
咳喘息はどのような疾患?
咳喘息は、咳のみが長期間続く疾患で、診断には一定の基準があります。
咳喘息と喘息の違い
喘息にはゼイゼイ、ヒューヒューなどの独特の呼吸音があり、聴診器などを使わなくても聞こえてきます。咳喘息の場合、この呼吸音は聞こえません。咳喘息は、咳のみが数週間続く状態です。
咳喘息の診断基準
咳喘息は、以下の2つの基準を満たすことで診断されます。
- 咳が8週間以上続く
- β2刺激薬などの気管支拡張薬を使うと効果がある
とても大まかな基準なので、症状が落ち着いている人や軽度の喘息の人も含まれることが特徴です。実際に、咳喘息と診断された人の多くが、その後、喘息に移行すると言われています。この基準を満たして咳喘息と診断されても、呼吸機能検査や胸部レントゲン検査などをして喘息の可能性を除外する必要があり、また、経過をしっかり観察しながら適切に対応をとることが求められます。
咳喘息は他人にうつらない
咳喘息は感染症ではないため、他人にはうつりません。しかし、診断が確定していない場合には、別の病気の可能性もあるので、マスクを着用し、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
咳喘息を引き起こす原因とは?
咳喘息は、空気の通り道である気道が炎症を起こすことで発症します。気道の炎症は、風邪やインフルエンザなどがきっかけになって起こります。風邪を引くと気道が炎症を起こすのは、体を守る働きをする免疫系が活性化され、炎症を引き起こす物質が出てくるからです。
炎症で敏感になっている気道は、少しの刺激で反応し、咳が出やすくなります。
刺激になるものの例を4つに分けて、説明します。
アレルギー物質
アレルギー物質の例は以下のとおりです。
- ほこりやダニなどのハウスダスト
- ペットのフケや毛
- 花粉
- 真菌(カビ)
- 卵・牛乳・ピーナッツ・そば・魚介類などの食べ物
さまざまなものがきっかけになり得るので、自分が何に弱いか知り、できるだけ避けることも大切です。アレルギー症状を起こした経験のない人でも、家族に喘息やアトピー性皮膚炎の既往歴がある場合には、素因を持っている可能性があるので、特に注意してください。
環境要因
天候の変化や気温の寒暖差があると、人間の体は恒常性を保とうと働きますが、その過程で自律神経のバランスは乱れがちになります。その結果、気道が過敏に反応し、咳が出やすくなる場合があります。
刺激物質
刺激物質の例は、以下のとおりです。
- タバコの煙
- 運動
- 化粧品
- 医薬品
- 排気ガスや光化学スモッグなどの大気汚染物質
- 黄砂
- 香水などの強い匂い
タバコの煙は本人だけでなく、周囲の家族や職場の人にも影響を与えます。喫煙する人には別の場所で吸ってもらうなどして、煙を吸わないようにしましょう。
ライフスタイル
過労やストレスがあると、免疫機能が低下し、咳が誘発されやすくなります。睡眠時間を十分に確保して、規則正しい生活を心がけることが大切です。
咳喘息にならないために日常生活で気をつけること
お酒は喘息を誘発するので、飲まないのが基本です。また、栄養バランスのよい食事は、免疫機能の強化や炎症の抑制に効果があります。原因を問わず、飲食物には注意しましょう。
咳喘息を予防するために、日常生活で注意することは、以下のとおりです。
アレルギー物質
アレルゲンの吸入や感染症を避けるためには、何より掃除が大切です。また、アレルギー物質は気道が炎症を起こすきっかけになる可能性もあります。原因がない人も、こまめな掃除に努めましょう。
環境要因
寒暖差がある時期には、衣服に注意しましょう。天気予報に注意し、脱ぎ着しやすい洋服を手元に置くようにするという方法もあります。
刺激物質
タバコの煙や化粧品、香水の強い匂いなど自分の苦手なもので避けられるものは、避けるに限ります。空気清浄機や換気扇を上手に使いましょう。
ライフスタイル
ストレスを避けるためには、十分な睡眠と定期的な運動が大切です。運動にはリラックス効果もあります。
さらに、水泳・サイクリング・ウォーキングなどの無理のない運動は、心肺機能の向上に役立ちます。朝や食後すぐは避け、息切れを感じたら休憩するなどしながら、定期的に行うことが大切です。
咳喘息は日常生活に注意して予防しよう!
咳喘息は、空気が通る気道に炎症が生じることで発症します。炎症のきっかけとなるのは、風邪やインフルエンザなどです。炎症で敏感になっている気道は、ハウスダストや花粉など少しの刺激にも反応し咳が出ます。
咳が出なくなった後も医師の指示に従い、治療を継続しましょう。また、日ごろから、咳喘息にならないために、飲酒を控える、感染症を避ける、禁煙するなど生活の仕方に注意することも大切です。
気になる症状がある場合は、大森町駅前内科小児科クリニックにご相談ください。