痛風・高尿酸血症

最終更新日: 2023年12月20日
作成者  : 大森町駅前内科小児科クリニック医師

痛風・高尿酸血症

この記事では「痛風でお悩みの方」「健康診断で尿酸値が高いと指摘された方」を対象に医師が分かりやすく解説いたします。

痛風(つうふう)とは

痛風は、ある日突然足の親指のつけ根などが痛くなり、赤く腫れ上がってしまう病気です。
男性に多いですが女性にも起こります。
また、だれもが平等に痛風発作を起こすわけではありません。
生活習慣がたたって、尿酸値が徐々に高くなり(高尿酸血症)、いくつかの条件が重なることで突然痛風発作が起こります。

痛みが出る場所は

  • 親指の付け根(最も多い)
  • 足の甲
  • 足首
  • ひざ
  • かかと
  • 肘(ひじ)

などです。
痛風発作は関節が痛くなる(関節炎)ため、内科または整形外科を受診されます。

痛風発作の治療とその後

発作時は、まずは関節の炎症をおさえて痛みをとる治療が先決です(NSAIDsなどの鎮痛薬、ステロイドなど)。
血液検査の評価も行います。痛風発作中は血液中の尿酸値が一時的に下がり、一見すると採血結果が正常にみえることがありますので注意しましょう。
発作が落ち着いたら、平常時の採血評価をして尿酸値を確認します。
通常は尿酸が高いことがほとんどなので、痛風発作が再発しないように尿酸値の管理を始めます。
生活習慣の改善のほか、内服薬(尿酸値をさげる薬)がとても大切ですので内科を受診しましょう。

痛風発作がきそうだなと感じたら

何度も痛風を起こす方がいらっしゃいます。
そのような方は足の親指がむずむずしはじめる前兆を察知する場合があります。
前兆の段階でコルヒチンなどの薬を服用することで、発作までいたらずにしのげるケースもありますので、医師にご相談ください。

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは、尿酸値が高い状態が続いていることです。
健康診断の採血ではかる一般的な項目で、尿酸(UA)というものです。

尿酸値(UA) 7.0 mg/dL以上

で高尿酸血症の診断となります。
7.0⇨8.0⇨9.0⇨10.0と数値があがるにつれ、痛風発作を起こす確率もあがります。
イメージがつきにくい方は、尿酸値に「30」をたして、それが体温だと思ってみましょう。
(たとえば、尿酸値9.0mg/dLの方は、30をたすと、39。体温が39度あったら誰しもまずい、と感じられるかと思います。)

高尿酸血症は無症状です。
痛風発作や健康診断がきっかけで採血をしない限り、気づかれませんので注意が必要です。
また、高尿酸血症を放置すると、痛風発作のリスクがあがるだけでなく、
動脈硬化がすすむ原因にもなります。
一般的に飲み薬が有効です(からだの中で尿酸を作られづらくする薬や排せつをうながす薬があります)。
健診でひっかかったら、医師にご相談ください。

当院の生活習慣病の患者様の診療について

高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症などの疾患は初期には自覚症状がなく、多くの場合、健康診断で判明します。異常を指摘された場合は放置せず、少しでも早いうちに治療をスタートすることが大切です。
大森町駅前内科小児科クリニックの生活習慣病治療は下記のように行っております。お気軽にご相談ください。

  • 健康診断の再検査や二次検査をご希望の方は必ず健診結果をご持参ください。
  • 初回は原則、血液検査などの検査を実施します。その後は3~4ヶ月おきに定期的に採血を実施しフォローしております。
  • 新規の薬剤導入の場合は原則30日以内処方としております。なお、継続処方の場合は、原則2ヶ月分を処方いたします。

痛風・高尿酸血症を予防しよう!チェックすべき7項目

  1. 肥満である
  2. お酒をよく飲む
  3. レバーや魚の卵、ラーメンの汁が好き
  4. 水分補給がしづらい環境
  5. 野菜・海藻をあまり食べない
  6. ウォーキング時間があまりない
  7. ストレスが多い

あなたはいくつ当てはまりましたか?
該当項目が多いほどハイリスクです。

1. 肥満である

太って脂肪がふえると、尿酸の排せつが落ちてからだに蓄積しやすくなります。
また内臓脂肪が多いと尿酸が多くからだで作られてしまいます。
まずは、毎日体重計に乗る週間をつけましょう。

2. お酒をよく飲む

ビールはとくにプリン体が多くふくまれるため、痛風発作の原因として有名です。
アルコール摂取が多いと、プリン体がからだで作られやすくなり、また排せつしづらくなります。
飲まないのに越したことはありませんが、

  • 日本酒1合
  • ビール500mL
  • ウイスキー1杯

程度までにおさえましょう。

3. レバーや魚の卵、ラーメンの汁が好き

これらの食品はプリン体が多く含まれるのでとりすぎに注意しましょう。
肉汁や鶏がらスープにはプリン体が高濃度に含まれます。

4. 水分補給がしづらい環境

 尿酸は尿から排せつされます。水分をとらないと尿量が減り、尿酸がからだに溜まりやすくなってしまいます。
こまめに水分補給をしましょう。夏の日に脱水になるだけで痛風発作を起こしてしまう方も多くいらっしゃいます。

5. 野菜・海藻をあまり食べない

 これらをしっかり食べると尿酸に作用して排せつしやすくなります。

6. ウォーキング時間があまりない

 ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を続けて行う習慣をつけましょう。
 激しい運動・無酸素運動などはかえって尿酸値があがってしまう場合もあります。水分補給もあわせてお忘れなく。

7. ストレスが多い

 現代の生活でストレスを避けることは難しいかもしれませんが、ストレスで痛風発作が起こりやすくなります。

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