RSウイルス

RSウイルスとは

主に子どもがかかる呼吸器の感染症、風邪の一種です。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%が初感染するといわれています。

大人であればかぜの症状で済むことがほとんどですが、新生児や呼吸器などに基礎疾患のある子どもは、肺炎や細気管支炎などが起こる可能性があります。しかも、入院が必要になるほど重症化する恐れがあるためかなり注意が必要です。

毎年、初夏から流行が始まり、秋に入ると患者数が急増し、年末をピークに春ごろまで続くので一年中注意が必要です。非常に感染力が強いため、幼稚園や保育園などの集団で行動するような施設内感染に注意が必要となります。

よくある症状

潜伏期間は2~8日で、発症すると発熱、鼻水、軽いせきなどの症状が続きます。症状が落ち着くまで、通常7~12日を要し、入院した場合は3~4日で改善されると言われています。

多くの場合は軽症で済みますが、悪化してしまうと呼吸音が「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」といった喘鳴を伴った呼吸困難や、それにより鼻やくちびるなどが青黒くなる、息を吸う時に胸のあたりが陥没してしまうなどの症状が現れます。

特に、新生児や生後6カ月以内の乳児が初めて感染する場合、慢性呼吸器疾患と心疾患を合併している高齢者などは重症化しやすいということが分かっています。また、RSウイルスに感染しているお子さんを看護している保護者や医療スタッフなどは、一度に大量のウイルスに感染して症状が重くなることがあるので、成人であっても注意が必要なウイルスです。

主な感染経路

飛沫感染

感染した状態で、くしゃみや咳をするとウイルスが含まれたしぶきが飛び散り、眼や口に入ることで感染します。

接触感染

ウイルスが付着したドアノブ、スイッチ、机、椅子などの他の人も使う可能性があるものに触れて、眼や口、鼻などを触ることにより間接的に感染します。

予防対策

手洗い

接触から感染することがあるため、厳重な手洗いと手指の消毒が有効です。
石けんと流水でしっかり洗ってください。手指の消毒にはアルコール手指消毒薬を使います。

せきエチケット

飛沫を防ぐことができるため、マスク着用は有効です。咳が出る場合は必ず着用し、RSウイルス感染症の流行時期には、症状がなくても着用することが好ましいです。また新生児、乳児への接触を避けることも感染予防につながります。

身の回りの消毒

子どもたちが日常的に触れる物やおもちゃはできるだけ個人専用として扱うことを推奨します。さらに消毒も必須で、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウム、または熱消毒がおすすめです。

ドアノブや机、椅子などの不特定多数が触れる場所は、アルコール系消毒薬や次亜塩素酸ナトリウムでこまめにふき掃除が必要です。