プラセンタ注射(保険適応)

更新日:2023年6月10日
作成 :大森町駅前小児科クリニック医師

美容・アンチエイジングのイメージが強いプラセンタですが、保険適応になる場合もあることを知っていましたか?
こちらのページでは更年期障害でお悩みの方を対象に、保険適応のプラセンタ注射について医師がやさしく解説します。

プラセンタ注射とは

プラセンタは、感染のない健康なヒトの胎盤を原料につくられた製剤です。
胎盤は、赤ちゃんがお母さんのお腹(子宮)の中にいるときに、お母さんのからだから酸素や栄養を受け取る上でとても大切な働きをしています。
赤ちゃんがうまれたときに一緒に胎盤もでてきます。
この胎盤は、10種類をこえる多くのアミノ酸やビタミン、ミネラルが沢山ふくまれています。
それらを現代の技術で抽出して注射するものがプラセンタ注射です。
もちろん、胎盤中のホルモンや血液成分は製造の過程ですべて除去されるため、プラセンタ注射の中に誰かの血液やホルモンが含まれることはありません。
自費診療だけではなく、症状により保険も適応されます。
当院では市販のプラセンタ(動物由来)とは異なり、厚生労働省から認可されたヒト由来のプラセンタ注射薬(メルスモン)をお受けいただけます。

プラセンタ注射はこのような方におススメです

  • 更年期障害(更年期症候群)でお悩みの方
  • 乳汁分泌不全の方
対象45〜59歳の女性
注射頻度月15回まで(週3回まで)
製剤名メルスモン
用法・用量通常成人1日1回2mLを皮下注射

プラセンタ注射の効果

  • 顔やからだがほてる
  • 汗をよくかく
  • イライラする
  • 肩こり
  • 動悸

といった更年期のつらい症状に効果があります。

プチ論文情報

更年期障害の方31名を対象に、プラセンタ(メルスモン)1Aを1週間に3回、2週間続けて合計6回皮下注射したところ、有効率77.4%(24/31名)が示されました。
(参考文献)唐沢 陽介ほか:薬理と治療  9(3)299~308,1981

プラセンタ注射の費用

プラセンタ注射の受診1回あたりの自己負担金額(再診)は、

費用500〜1,000円(3割負担の方)

が一般的です。

初回の受診時は、初診料(保険)がかかります。3割負担の方で、2000円以内とお考えください(処方や検査がある場合は別途)。
特定疾患(高血圧・高脂血症・糖尿病、甲状腺疾患、喘息など)をお持ちの方は、月2回まで特定疾患療養管理料225点(3割負担の方で680円)が追加でかかります。

ご予約方法

LINE予約から24時間いつでもご予約いただけます。
診療科は、「内科」からおすすみください。

初診の方は、田口医師の診察となりますので、月曜・金曜・土曜・日曜にご予約ください。
再診の方は、すべての曜日でご予約いただけます(平日の午後が空いております)

注射の前に知っておきたいこと

世界でも広く使われている注射製剤ですが、いくつか知っておくべきことはあります(同意書のサインが必要です)。

・プラセンタは感染のない健康なヒト胎盤を原料につくられているため、理論上、未知なるウイルスが体内に入る可能性はゼロではありません。
ただし、これまで細菌やウイルス等による感染の報告はありません。

・プラセンタ注射を1回でも行うと献血ができません
献血を趣味にされている方がこのことを知らずに行きつけの病院でプラセンタ注射をうけてしまい、後から後悔されるケースも時折みられますので注意しましょう。

慎重投与が必要な方

アレルギー体質の方(医師にご相談ください)

プラセンタ注射の副作用

注射に伴う合併症

注射部位の痛み、赤みがでる、皮下出血など(5%以上)

過敏症に伴う症状

寒気、吐き気、発熱、初赤、発疹など(0.1~5%未満)

重大な副作用

たん白アミノ酸製剤であるため、ショックを起こすおそれがありますが、頻度は非常に稀です。