咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱(プール熱)とは

「アデノウイルス」に感染することで発症します。

「咽頭結膜熱」は、プールが原因で感染することがあるので「プール熱」と呼ばれていますが、実際はプールに関係しないところでも感染する病気です。

「アデノウイルス」は非常に感染力が強く、あっという間に人から人へ感染が広がります。
年間を通して発生しますが、暑くて湿度の高い環境を好むため、6月頃から感染が増え始め、7月~8月をピークに流行します。

よくある症状

発熱、喉の炎症、結膜炎が主な症状です。
以下の症状が当てはまったらプール熱の可能性があるので診断をおすすめします。

  • 数日〜1週間ほど続く急激な発熱
  • 喉の奥など咽頭部の痛み
  • 目の充血
  • 涙が出やすくなる
  • 目やにが出やすくなる
  • 3〜7日ほど続く頭痛、食欲不振

特に目の充血がなかなか引かない場合は、プール熱が疑われます。
プール熱はウイルス感染症なので、目を清潔に洗ってもすぐに良くなることはありません。
眼科にて専門的な診察や治療を受けていただき、合併症を防ぐための抗生剤の使用や、炎症を抑える点眼薬などをあわせて使用しながら1~2週間程度をかけて治療していく必要があります。

主な感染経路・対処法

咳やくしゃみなどの飛沫によって感染する「飛沫感染」と感染源を拭いたタオルを共用したり、手指を介した「接触感染」により感染します。
また、塩素濃度の管理が不十分なプールに入ることでも感染が起こります。
喉から2週間、便から30日間ウイルスが排出されるため、その期間は消毒が必須となります。
現在、「アデノウイルス」に対する特効薬はありません。
ですが、喉の痛みにはうがいや鎮痛薬で、目やにや充血には抗生剤やステロイドの点眼薬を使い抑えます。
眼のかゆみが強い時には、抗ヒスタミン薬やステロイドの点眼薬を処方してもらい、使用することで緩和することができます。
発症中は喉に強い痛みがあり、悪化する可能性があるため刺激物は避け、喉ごしの良い飲み物や食べ物を選ばれることをおすすめします。

予防対策

まずは手洗い、うがい、身の回りの消毒を行うことが大切です。
先述したとおり症状が治まった後も、喉や便からウイルスが出続けることがあるので、二次感染にも注意が必要となります。
おむつなどの交換時には流水・石けんによる手洗いを必ず行い、感染源となる目やにや涙は他の方の使用の可能性がるハンカチやタオルではなく、ティッシュなどの使い捨てのものでふき取ってすぐ捨てましょう。
さらに、塩素濃度の管理が不十分なプールでは感染する可能性もあります。
なので、プールから上がった際はしっかりとシャワーを浴び、目をよく洗い、うがいを行うことも大切です。
また、感染中に関しては感染者と家族、そのほか周りの方と使用するものを分けることも予防として効果的です。
症状がでている人や発病して日の浅い人の感染力は強いので、入浴の順番を最後にするといった心配りも感染拡大予防に役立ちます。

予防対策まとめ

  • こまめな手洗い、うがい、消毒を行う
  • 共有部分の徹底した消毒
  • タオルやハンカチ、接触の可能性があるものは共有しない
  • お風呂は一番最後に入浴してもらう
  • 排泄後、おむつ交換後もしっかり手洗い、消毒
  • プールから上がったら、シャワーを浴び、目をよく洗い、うがいを行う
  • 感染者が目やにや涙を拭き取る場合は、使い捨てのものを使用し、すぐに捨てる