咳・たん絡み

咳・たん絡み

咳・たん絡みについて

咳・たんどちらも体の中から異物(ウイルスや細菌・ほこりや花粉など)を体外に追い出すために出る反応です。
咳は体内に入った異物を排出しようとする反射、たんは気道を保護するためにある粘液が異物(ウイルスや細菌・ほこりや花粉など)を絡めとったものです。そのため、健康な状態でも煙やホコリなどを吸い込んだ時には咳が出て、たんとして体外に排出されます。
感染や刺激により気道に炎症が生じると咳が強くなったり、たんが多くなり、たんの粘り気が増します。
これは、体の中から細菌やウイルスなどの異物を追い出そうとして起こる症状になります。

咳・たん絡みの原因・症状について

病気の際に咳が出る主な原因は3つあります。

細菌やウイルスによるもの

病気の原因となるウイルスに感染したり、病原体や肺炎球菌のような細菌が原因で肺炎になってしまい咳が止まらなくなることがあります。

アレルギーを引き起こす物質によるもの

食べ物や家の中にいるダニやホコリ、ペットの毛などが原因でアレルギーが発症。
その際に咳が止まらなくなることがあります。
アレルギーの原因は検査で調べることができますので受診をおすすめします。

有害物質によるもの

人体にとって有害なタバコや粉塵、特定の化学物質を長期間にわたり吸い込んでいると呼吸器が慢性的に炎症を起こしてしまい咳が止まらなくなることがあります。
また、たんが絡まる咳が発症することもあります。
湿った咳をした際に絡まることが多く、「ゴホゴホ」「ゲホゲホ」という濁った音が特徴的で急性気管支炎や喘息の前段階である咳喘息がこれにあたります。
たんがのどに絡みつくのは不快ですが、取り払おうと何度も強く咳をするとのどの粘膜が傷ついてしまいます。
どうしても気になる際は、お茶などの水分を摂取してのどを潤して部屋の加湿を高めてたんを柔らかくすることで排出しやすくなります。
また、たんをうっかり飲み込んでも胃酸がたんの中に含まれるウイルスを殺菌してくれるため、気にする必要はありませんが、すべてのウイルスが殺菌されるとは限りませんので飲みこまずに吐き出した方が健康的です。

咳・たん絡みの予防・治療方法について

感染症予防の基本はやはり手洗いとマスク、人が密集する場所を避けることです。
その他にもワクチンを接種することで予防できるウイルスもありますので、予防接種を受けておくことをおすすめします。

治療については、咳やたんは気道内の異物を吐き出す働きがありますので無理をして止める必要はありませんが日常生活に支障が出てしまうようなら対処していきましょう。
いちばんは乾燥を防ぐことが重要ですがその他にも次のような対策がおすすめです。

頭を少し高くして寝る

うつ伏せや仰向けは気道を圧迫してしまい、咳が出やすくなってしまいます。
気道を確保するが大切ですので上半身側が少し高くなる姿勢にすると呼吸がしやすくなり咳が軽減されます。

濡れマスクの使用

喉、鼻の粘膜を潤す効果が非常に高いため、ウイルスが体内へ侵入するのを防ぐことができます。一番有効なのは抵抗力が下がる就寝中の使用です。

あたたかい飲み物

のどを温めることで気管を広げ、呼吸を楽にすることができます。
たんを伴う咳の場合は喉を直接湿らせることで体外に排出しやすくなります。
ただし、ウーロン茶は油を分解する効果がありますので喉に必要な油まで分解してしまうため飲むのを控えましょう。
はちみつが潤いを高め、生姜が体をあたためてくれるためハチミツ生姜湯がおすすめです。

いつまでも咳が止まらない場合は原因となる病気そのものの治療が必要となります。
風邪にかかった時は安静すると1~2週間程度で収まりますが、インフルエンザや肺炎、肺結核などの感染症は検査で病原体を特定し、病原体に応じた抗菌薬や抗ウイルス剤を用います。
感染症以外(喘息など)の慢性的なものは、お薬で症状をコントロールすることが必要なこともあります。