鼻水・鼻づまり・くしゃみ

鼻水・鼻づまり・くしゃみ

鼻水・鼻づまり・くしゃみについて

鼻水、鼻づまり、くしゃみは、鼻粘膜にウイルスや花粉、ほこりなどの異物がが付着するとそれを取り除こうとして起こる反応です。
通常の鼻水、鼻づまり、くしゃみもメカニズムは同じです。
鼻腔内では常に粘液が分泌されて適度な湿り気が保たれています。
そこにウイルスなどの病原体や花粉などの異物がくっつくと排出するために粘液が多量に分泌されて鼻からでるのが鼻水、異物を排出しようとする反応がくしゃみです。

鼻水・鼻づまり・くしゃみの主な症状ついて

鼻水

風邪による鼻水は粘性が高く、ウイルスが原因となるため黄・黄緑がかっていることが多いです。
それに比べて花粉症の鼻水は粘り気がなくサラサラした水のような透明のものが止まらずに排出されます。

鼻づまり

粘膜が炎症を起こし腫れてしまい、鼻からのどへの通り道が狭くなるため引き起こります。
それによって口呼吸が増えてしまい、口の渇き・咳といった症状が出ててきます。
また、においを感じにくくなるため食べ物の味が分かりづらくなることも。

くしゃみ

鼻の粘膜についたウイルスや花粉を取り除こうとして発症する症状です。
風邪やインフルエンザ時のくしゃみよりも花粉症のくしゃみは回数も多いのが特徴です。

鼻に関する病気の症状

鼻炎

鼻の粘膜に発生炎症を指します。
原因は様々ですが、特にアレルギーによって発症した鼻炎を「アレルギー性鼻炎」と呼びます。
これを放置してしまうと慢性鼻炎や蓄膿症(副鼻腔炎)に移行することもありますので長引く場合は放置せず早めの受診が必要です。

蓄膿症(副鼻腔炎)

鼻と口とを繋ぐ部分を副鼻腔と呼びます。
そこに炎症が起きる症状を指します。
炎症により発生した膿が鼻腔から排泄されずに溜まることで発症します。
投薬治療が一般的ですが改善しない場合は手術になる場合もあります。

後鼻漏(こうびろう)

鼻水がのどへ流れ落ちてくる症状です。
鼻水は1日に約2~6リットルが作られるのですが、その約3割はのどに流れ落ちていきます。
これは生理的な症状なので問題無いのですが、風邪やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで鼻水が増えてくるとのどに落ちる後鼻漏が普段よりも増えて違和感へと繋がり咳が出る場合があります。

嗅覚障害

風邪やインフルエンザ、花粉症など鼻炎、副鼻腔炎を原因として発生することがあります。
鼻の粘膜の腫れをひかせたり、抗生物質を飲むことで原因になる病気を治療し匂いの回復を図ります。
匂いがしないまま長期間放置すると治療を行っても改善しない可能性もあるため早めの受診が大切です。

鼻水・鼻づまり・くしゃみの予防方法について

ウイルスが原因になるものと花粉が原因になるものなど様々な場合がありますが、いくつかの予防法を紹介します。

風邪予防

やはりいちばんは風邪をひかないことです。
鼻水の予防には、まずかぜをひかないようにすることが大切です。
かぜをひいてしまったら、抵抗力を付けるために十分な休養と睡眠、栄養をとって治療に専念しましょう。
こうすることで副鼻腔炎への移行を防ぐことにつながります。

乾燥・湿度のコントロールをする

室内で快適な湿度は40~60%とされています。
40%以下になると目や肌、のどの乾燥を感じるだけでなく、ウイルスに感染しやすくなるおそれがあります。
乾燥しがちな冬から春にかけては、適度な湿度を保つことが大事です。
また、適度な湿度は粘膜の状態を整えます。
なお、夏場の過度な除湿は夏かぜの原因にもなりますので、除湿し過ぎにも注意が必要です。

アレルゲンを寄せつけない

アレルギー性鼻炎による鼻水予防には、花粉、ダニ、ホコリなどの対策も重要です。
とくに花粉の場合は、できるだけ花粉に接触しないようにし、風が強い日、雨の日の翌日など、花粉の飛散量の多い日はとくに注意しましょう。
また、室内では、換気は必要最小限にするほか、部屋を乾燥させない、エアコンのフィルターをこまめに掃除する、などを心掛けましょう。

鼻水・鼻づまり・くしゃみの治療方法

基本的には発生源に近づかない、健康な体作りを意識することが大切となります。
治療法/予防法としては以下となります。

家のダニ・ほこりの除去

週に1~2回は部屋の掃除を行い湿度は約50%、温度を20~25℃に保つことが大切です。
ダニが多くなりそうな織物のソファーやじゅうたん、畳は出来るだけ避けて、
ベッドマットやふとん、枕には防ダニカバーをかけることでさらに改善が図れます。

免疫療法

スギ花粉やダニのアレルギーをお持ちの方は、3年~5年間、毎日治療薬(アレルゲン)を体に段階的に投与(服薬)していくことで体質改善を見込むことができます。
対象(スギ花粉やダニ)以外の複数アレルギーがあり反応性が高い方や心・肺疾患をお持ちの方、妊娠中・授乳中の方は投与に注意が必要ですので医師とご相談ください。対象(スギ花粉やダニ)のアレルギーではない方、重い気管支喘息や免疫系の疾患がある方は施行困難となります。また、まれに全身性のショックなど危険な副作用が起こる可能性があるため、医師と相談の上での検討をおすすめします。

薬物療法

抗ヒスタミン薬や血管収縮剤を使用し抑える方法です。
しかし副作用があらわれることがあったり、長期間使うと効き目薄くなり、効果の持続も短くなる可能性もあります。

ステロイド点鼻薬

効き目が早く効果が強いという特徴がありますが、人によっては点鼻そのものが刺激となって症状がでてしまう場合もあります。

手術

アレルギー性鼻炎は体質的な疾患のため薬や手術によっての治療が難しい場合があります。
しかし、手術方法の開発によってアレルギー反応が起こりにくい粘膜に変えたり、アレルギーが起こっても鼻づまりや鼻水、くしゃみが起こりにくい粘膜に変えることは可能になってきています。
代表的な方法はレーザー手術などの粘膜を焼く手術です。


様々な手法がありますので、それぞれのメリット、デメリットを知った上で専門性の高い医療機関を受診して検討することをおすすめします。