【NEWS】2024年4月から5種混合ワクチンが定期接種に|どんなワクチン?副反応は?効果は?解説
5種混合ワクチンとは?
従来の百日せきや破傷風、ジフテリア、ポリオを予防する四種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを加え、さらにヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)の抗原成分を追加したのが、今回の五種混合ワクチンです。
2024年2月5日の厚生労働省の専門家分科会で、2024年4月から定期接種の対象になることが了承されました。
現在も単体での定期接種が可能なHibワクチンですが、4種混合ワクチンと合わせるとスケジュール管理が難しく、さらに合計8回もの接種が必要となってしまうため負担が大きいことが課題でした。
今回の5種混合になることによって、接種回数を減らすことができると期待されています。
※五種混合ワクチンに含まれる不活化ポリオワクチンの成分は、平成24年9月から定期接種となった単独の不活化ポリオワクチン(イモバックスポリオ皮下注)とは異なります。
製剤は田辺三菱製薬の「ゴービック」とMeijiの「クイントバック」の二種類があります。
クリニックにより取り扱っているワクチンが異なりますのでお気を付けください。
また互換性はございませんが、ゴービックとクイントバックの交互接種については市区町村によってルールが異なるため、お住まいの市区町村のホームページをご参考にご検討ください(厚生労働省は同一ワクチン接種を推奨しております)。
大森町駅前内科小児科クリニック
ゴービック・クイントバック、順次ゴービックのみ
蒲田駅東口クリニック
クイントバック
大森ステーション内科小児科クリニック
クイントバック
予防できる病気は?
5種混合ワクチンは、侵襲性感染症に対する抵抗力(免疫)をつけることで以下の病気を予防するために使用されます。
- ジフテリア:ジフテリアは、細菌によって引き起こされる感染症です。
症状は高熱、のどの痛み、せき、嘔吐などで、喉や呼吸器に影響を与える可能性があります。
発病から2~3週間後に心筋障害や神経麻痺などを起こすこともあり、経過観察が重要です。 - 破傷風:破傷風は、傷口から土の中の 細菌が侵入した場合に発症する感染症です。
筋肉の硬直やけいれんを引き起こすことがあります。 - 百日咳(Pertussis):百日咳は、ボルデテラ・ペルチュシス菌によって引き起こされる呼吸器感染症です。
症状は強いせきや窒息感で、肺炎や脳症などの重い合併症を起こし、 乳児では命を落とすこともある危険な病気です。 - ポリオ(急性灰白髄炎):ポリオウイルスによって感染する感染症。重症の場合手足のまひが起こり、運動障害が一生の後遺症として残ることがあります。
- ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)感染症:インフルエンザ菌b型による感染症。
細菌性髄膜炎や急性喉頭蓋炎、脳炎などの重篤な病気を引き起こす可能性があります。
接種対象・接種方法は?
生後2ヶ月から接種可能で、定期接種の対象年齢は7歳半(生後90ヶ月)までです。
接種方法は初回接種は生後2ヶ月から7ヶ月の間に開始し、4~8週あけて3回接種、さらに追加接種として6ヶ月以上の間隔をおいて1回接種で、計4回接種になります。
初回接種は生後7ヶ月までに開始する必要があるので、注意が必要です。
副反応は?
主な副反応は発熱、接種部位の腫れ、下痢などです。
国内の臨床試験では皮下注射を行った267名の反応として、37.5℃以上の発熱(23-40%)、ワクチン接種後の腫れやかゆみ(7-19%)、眠気(6-14%)食欲減退(1-8%)などが見られました。
これ以外にも、すでに接種が勧められている海外では、嘔吐や下痢、蕁麻疹、アナフィラキシーショックなどの事例が報告されていますが、一般的な予防接種との明確な差異は認められていません。
まとめ
これまでの百日せきや破傷風、ジフテリア、ポリオだけでなく、インフルエンザ菌b型感染症の予防も可能になる5種混合ワクチン。
特に、百日咳は近年大人の間で急速に増えてきており、子どもへの感染が懸念されています。
大人の場合は咳が長引く程度で重症化しづらいですが、乳幼児へ感染すると重症化しやすく肺炎や脳炎などの合併症も起こしやすい危険な病気です。
5種混合の定期接種の開始はことし4月から始まる予定です。
生後2ヶ月から対象ですので、早めに予防できるよう接種を進めていきましょう。
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