咳喘息の症状

次のような特徴的な症状が現れている場合は、咳喘息の可能性があります。

咳喘息の症状は、突然ひどい咳が現れたり軽い咳から始まったりと、人によりそれぞれです。典型的な気管支喘息と同様に夜間から早朝にかけて咳は悪化しやすいです。これらの症状や特徴をセルフチェックポイントとして、当てはまる場合は咳喘息を疑ってください。

咳喘息において注意すべき症状は以下の通りです。

以上の症状が現れている場合は、咳喘息が重症化している恐れがあります。咳喘息は、放置してしまうと約1/3が典型的な気管支喘息に移行するリスクがあります。重症化する前に、早期に治療を受けましょう。

咳喘息に似ている病気は以下の通りです。

病名	概要	症状や特徴
気管支喘息	何らかの原因により気道が慢性的に炎症することで発症する病気	・発作性の息苦しさや喘鳴、胸の苦しさ、咳などが現れる
アトピー性咳嗽（がいそう：せきのこと）	アレルギーにより気管支が炎症して咳がでる病気	・喘鳴や息苦しさをともなわない乾いた咳が3週間以上続く・気管支拡張の吸入薬が効かない
COPD	喫煙が原因で肺に炎症が起こり発症する病気	・初期は息切れやせき、痰などのありふれた症状が現れる・放置するとおぼれるような息苦しさが現れる
心臓喘息	心臓の病気により起こる喘息	・息切れ、むくみ、手足の冷え、動悸などが現れる・悪化すると喘鳴や息苦しさが現れる
副鼻腔気管支症候群（ふくびくうきかんししょうこうぐん）	上気道（鼻から気管手前のこと）が炎症する病気と下気道（気管から肺の奥までのこと）が炎症する病気が合併している状態	・息苦しさをともなわない湿った咳が8週間以上続く・鼻水、咳払い、後鼻漏（こうびろう：鼻水が喉の奥に流れること）がある・鼻や喉から粘り気のある痰がでる

以上のような、似ている病気の症状を把握しておけば、自分が咳喘息であるかの判断材料になります。

咳喘息を早期治療すべき理由は気管支喘息に移行するリスクだけではありません。咳喘息が長引くとリモデリングを引き起こしてしまう恐れがあります。

リモデリングとは、気管支の炎症が長引くことで、気道の壁が厚くなってしまう現象です。この現象を引き起こしてしまうと気道の幅が狭くなり、喘息が治りにくくなってしまいます。リモデリングが起きてしまうともとにもどりません。治りにくい喘息にならないためにも、早期に治療をする必要があります。

咳喘息の症状を悪化させる原因には、次のようなものがあります。

原因	詳細	対応方法
上気道炎	風邪やインフルエンザなどは、咳喘息を悪化させる大きな要因である	・外出時はマスクをする・手洗いやうがいを徹底する・毎年インフルエンザなどの予防接種をする
喫煙・受動喫煙	たばこに含まれる有害物質により、咳が誘発される。受動喫煙も自分がタバコを吸うのと同様の悪影響がある	・咳喘息を発症している方は禁煙する・タバコを吸わない方は喫煙者に近寄らないようにする
花粉・黄砂	花粉・黄砂の刺激により、咳を悪化させる恐れがある	・外出時はマスクを着用する・飛散量が多い時は外出を控える・布団や洗濯物を外に干さない・花粉や黄砂の付着しやすい衣服を着ない・花粉の時期は換気を最小限にする
運動・冷気	運動などによって乾燥した冷たい空気を吸い込むと、刺激となり咳が悪化する恐れがある	・マスクをして運動をする・吸入薬で咳喘息をコントロールしておく
季節変動	季節の変化により、気温や湿度、気圧が変動して、咳喘息が悪化・再発する方がいる	・悪化する季節を特定しておく・症状が現れる時期に咳喘息の治療をはじめて、時期が過ぎれば治療を終了するなどの対策をとる

痰をともなわない乾いた咳が8週間続く場合は、咳喘息の可能性があります。風邪を引いたあとに喘鳴や息苦しさがともなわない咳がいつまでも続く場合は、咳喘息を疑いましょう。

咳喘息は放置するとリモデリングを引き起こし、治りにくくなる恐れがあります。また、典型的な気管支喘息に移行することもあるため軽視できません。

リモデリングや気管支喘息の発症を防ぐためにも、咳喘息を疑う症状が現れたら早期に治療を受けましょう。

気になる症状がある場合は、大森町駅前内科小児科クリニックにご相談ください。

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