水疱(水ぼうそう)とは
水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した時に発症する、かゆみをともなう水ぶくれが身体全体に現れる急性のウイルス感染症です。
1~4歳までの子供がかかりやすく、10歳までにほとんどの子どもが感染します。
水ぼうそうは麻疹と並びとても感染力が強く、免疫がない場合に感染後2週間程度の潜伏期間を経て発疹が出現します。
2014年10月からは、水ぼうそうワクチンが定期接種となったため、2015年から大きく減少しています。
よくある症状
発熱が約3〜4日間続き、倦怠感、食欲不振、頭痛などの症状がで始め、胴体を中心に、顔や頭、首周りなどに赤みを帯びた発疹が多数現れます。
小さい赤いブツブツとした発疹が数百個ほど身体に出現します。
その見た目はあせもや虫刺さされに似ていますが、徐々に発疹が膨らみ、水ぶくれになるのが水ぼうそうの特徴です。
まず腹部や顔にあらわれ、3日後頃には発赤、水疱、かさぶたが同時に見られ始めます。
身体のあらゆるところにブツブツが広がると、強いかゆみが伴います。かゆみが我慢できず、掻きむしってしまうと化膿してしまい、治癒した後も痕が残ることがあるのでなるべく触れないように注意するが必要です。
全ての水疱がかさぶたとなりはがれ落ちるまでは、約3週間ほどかかります。
また、合併症が引き起こるリスクがあるのも注意したい点です。
合併症が起こる割合は新生児、成人、免疫機能が低下している人、特定の病気を持つ方は高くなる傾向にあります。
免疫機能が正常な幼児には合併症のリスクは低いのですが、成人の約400人に1人の割合が肺に感染してしまい肺炎となり、咳と呼吸困難が起こります。
脳への感染はあまり見られないですが、感染してしまった場合は歩行時のふらつき、頭痛、めまい、錯乱、けいれん発作といった症状が現れます。
また、肝臓の炎症や出血の問題が起こることも確認されています。
また、稀に「ライ症候群」という脳の炎症や腫れと、肝機能の低下または喪失をもたらす病気になることもあります。
さらに、妊婦が水ぼうそうを患った場合は、重篤な合併症のリスクが高く、最悪死に至ることもあります。まずは感染しないよう、予防をすることが大切です。
主な感染経路
空気感染、飛沫感染、接触感染によって上気道から侵入、その後潜伏期間を経て発症します。
「水痘帯状疱疹ウイルス」という極めて小さなヘルベスウイルスの一種が原因で発症します。
感染力は極めて強く、水ぼうそうを発病している方と同じ空間にいた場合、時間がどんなに短くても感染している可能性が非常に高いです。
マスクや空気清浄機を使ってもあまり効果的ではなく、唯一の予防手段はワクチンの接種のみとなります。
水疱瘡を発症した場合、二次感染を予防するために全ての発疹がかさぶたに変わるまでは人との接触は禁じた方が良いです。
予防対策
先述の通り、ワクチン接種をしない限り感染力が強いため、まずは感染者の隔離を推奨します。
最後の水疱がかさぶたになるまでは、小児も成人も学校や仕事に行ってはいけません。
ワクチン接種には、生きた水ぼうそうウイルスを弱めて使用しています。
そのため、以下に当てはまる方はワクチン接種をお控えください。
- 免疫機能が低下している方
- 定期的にアスピリンを服用しているお子様
- 妊婦やワクチン接種から1~3カ月以内に妊娠を予定している女性
- ワクチン接種の直前に体調がすぐれない方