流行性角結膜炎(はやり目)とは
アデノウイルスの感染によって起こる結膜炎です。感染力が非常に強く、流行しやすいので「はやり目」と呼ばれています。
アデノウイルスには8型、19型、37型など、いくつかの種類があるため、一度感染しても型が異なると再感染する可能性があるので注意が必要です。
発症すると眼の充血や目やにが出て、ゴロゴロした痛みが出てきます。
重い場合は、角膜に傷がつき、傷跡が残る「角膜混濁」になったり、まぶたの裏側に炎症の白い膜(偽膜)ができることもあります。
子どもの発症例が多いですが、どの年齢層でも発症する可能性があります。
流行時期はおおよそ8月で、夏場に多く見られます。
基本的に3週間ほどで自然に治りますが、別の細菌などの混合感染を予防するため、抗菌薬の点眼を行います。角膜の濁りがみられる場合には、ステロイド薬の点眼を行います。
よくある症状
症状は両目に出ることが多いです。片目のみの発症でも、数日後にもう片方の目に症状が出ることがあります。
また、眼以外の症状として、耳の前の方にあるリンパ節が腫れることが多いのも特徴です。
- 白目(結膜)の充血
- たくさん目やにがでる
- 涙目になる
- 目のしょぼしょぼ感、ゴロゴロ感
- 光がまぶしい など
主には、目が充血したり、目やにや涙が大量に出たり、目がゴロゴロするなどの異物感が生じます。まぶたが腫れることもあり、酷い場合には目が開かなくなります。
炎症が角膜まで及ぶと、角膜が濁ってしまい、数年間視力障害が残ることもあるため、注意が必要です。
主な感染経路
微生物や物理的刺激、化学的刺激、アレルギー反応などによって結膜に炎症が起き、原因となる「アデノウイルス」が発生します。
この「アデノウイルス」は、感染力が非常に強いウイルスです。そのため、医療機関、職場、施設などの集団感染も多く見られます。
主に、病原ウイルスで汚染されたティッシュペーパー、タオル、洗面器に触れ、手を介して感染します。感染を広げないためには、以下の注意が必要です。
- 目を手でこすらない
- 手や顔を拭くタオルを分ける
- 目を手やタオルで拭かず、ティッシュペーパーなどの使い捨てのものを使用する
- 流水でよく手を洗う
まずは、手洗いや消毒の徹底が重要です。
ですが、感染者が出てしまった場合は、タオルなどの目に触れる可能性があるものは別にする、お風呂は最後に入るなど分けることが必要です。
予防対策
感染力が非常に高いため、まずは家族やまわりの人にうつさないように注意する必要があります。
目やに、涙が出ても触らずにティッシュペーパーなど使い捨てのものでふき取り、すぐ捨てることが大切です。
手洗いや消毒はもちろんですが、感染者とタオルを共有しない、箸をわける、感染者の入浴は最後にするなど感染中は徹底的に分けることが大切です。
また、日常的に皆が使用するもの、例えばドアノブなどをアルコールや次亜塩素酸を使用して消毒することも対策として有効です。
さらに、担当医から周囲への感染力がなくなったと判断されるまでは登園、登校を控える必要があります。
「はやり目」6箇条
- 目を触ったら手洗い・消毒
- 目やにはティシュでふき取りすぐに捨てる
- タオルや洗面道具は共有しない
- お風呂は家族の中で最後に入り、シャワーで簡単に済ませる
- 保育園・幼稚園・学校は担当医の許可が出るまで休む
- プールには許可があるまで入水禁止