犬アレルギー|原因・症状・対処について解説
楽しみにしていた愛犬との生活が、犬アレルギーの発症によって難しくなることもあります。
しかし、犬アレルギーの原因について知っておき、適切な対処をすることで症状を緩和できる場合もあります。
今回は犬アレルギーについて、原因や犬を迎える前にできること、実際の犬との暮らしで行うべき対処などを解説していきます。
犬アレルギーとは
犬アレルギーは犬の唾液、フケや抜け毛などに多く含まれる物質をアレルゲンとした疾患です。
犬アレルギーを発症すると、犬と接触したり、同じ部屋で犬と過ごす、遊ぶなどでアレルギー症状が引き起こされます。すでに犬と暮らしている方であっても発症する可能性があります。
犬アレルギーの原因
犬アレルギーの発症の原因となる主なアレルゲンとして、リポカリンとアルブミンというタンパク質が挙げられます。
リポカリンは犬の皮脂、唾液や毛などに含まれており、ほこりなどに付着して空気中を漂います。
アルブミンは犬に限らず、人や猫を含む他の動物の体内に存在しており、犬以外の動物に対するアレルギーを発症する可能性もあります。
犬アレルギーの症状はどのようなもの?
犬アレルギーの症状やその程度は人によって異なりますが、軽度の場合には下記の症状が現れることが知られています。
また症状が進行した場合には下記の症状も見られるようになります。
さらに、下記の重篤な症状が現れることもあり、日常生活に支障をきたす恐れがあるため、注意が必要です。
犬アレルギーかも、と疑われる症状や不安があった場合には、軽度であっても早めに医療機関へ相談しましょう。血液検査をはじめとしたアレルギー検査や治療について医師がご説明します。
症状に合わせて緩和させていく対症療法が治療の中心となり、アレルギーは完治することがしばしば困難であるため、その治療を継続して受けることになります。
犬を迎えようと思ったら、まず確認
家族として犬を迎えようと考えているのであれば、自身や共に暮らす家族に犬アレルギーがないか、必ず確認しましょう。
犬を迎えたら10〜15年、あるいはそれ以上の時間を犬と共に過ごすことになります。迎えた後に犬アレルギーがあると判明したら、多くの場合は愛犬の暮らしの継続が困難になってしまいます。(上記の通り、犬と一緒にしばらく生活しはじめた後から犬アレルギーが発症する場合もあります)
自分は大丈夫と思わずに、家族全員で犬と触れ合う機会を作りましょう。
下記の方法で、実際に犬と触れ合ったり、同じ室内にいてみたりして、少しでもアレルギーが疑われる症状があった場合は、医療機関で確認してみましょう。
ドッグカフェ
複数の犬を連れた飼い主さんが利用しているドッグカフェでは、実際に犬に触れることはできないものの、同じ空間に犬がいる状況を体験できます。
犬を飼育している友人、知人
もし、親しい友人や知人、親戚などに犬を飼育している方がいるという場合には、自宅を訪ねて犬と遊ばせてもらえるかを聞いてみましょう。もちろん、犬の性格などによって断られることもありますが、受け入れてもらえた場合は、犬アレルギーの有無だけでなく、飼育環境や人と犬の暮らす生活空間がどのようなものか実際に知ることができるため、犬を迎えようと考えている方にとって有意義な経験となるでしょう。
しつけ教室、パピー教室の見学
犬のしつけ教室やパピークラス(子犬の社会化を目的に複数の子犬や飼い主さんが参加する教室)を実施している動物病院や施設があるならば、見学できるか問い合わせてみましょう。
見学できるという場合には、家族全員で訪ねて、教室で行われている内容やその場に来ている犬の様子などを見てみましょう。また、実際に犬の飼育したときも、健康管理や飼育方法で参考になります。見学の際、実際に犬を触らせてもらえることもありますので、責任者に相談してみましょう。
子犬の入手先
子犬の入手を検討している場合は、入手先となるペットショップ、ブリーダー、動物愛護センターなどには家族全員で行きましょう。子犬の食事やトイレ、遊ぶところをよく見ておくと良いでしょう。
飼育にあたっての注意点やどのような物を揃えておくべきか、また健康管理の費用はどれくらい必要となるのかといったことも聞いておきましょう。
犬を迎えた後にアレルギーを発症、自宅でできることはある?
犬を迎えた後に犬アレルギーを発症したり、共に過ごすうちにアレルギーが判明したりすることもあります。そうなった場合には、症状を軽くするため、医療機関での飼い主自身の治療とあわせて、自宅でできる対処も行いましょう。
手洗い、うがい
犬を触った手で目や顔を触ってしまうと、その部分にかゆみなどの症状が現れる可能性がありますので、犬と触れ合った後は必ず手洗いを行いましょう。
また、体内に入り込むアレルゲンの量をできるだけ減らすために、うがいも行いましょう。
室内の換気、掃除
フケやほこりなどのアレルゲンが室内に留まらないように、室内の換気や掃除は徹底してこまめに行いましょう。
犬用の敷物やベッドなど、犬の抜け毛が多く付いてしまうものについても、こまめな洗濯や買い替えを行うようにして清潔を保ちましょう。
家の中での犬の移動範囲を制限
寝室には犬を入れないなど、あらかじめ犬の移動範囲を決めておき、犬と触れ合う時間を長くしすぎないようにしましょう。犬と触れ合う時間が長くなればなるほど、アレルギー症状が生じやすくなります。
定期的なシャンプーで清潔に
定期的なシャンプーを行って犬の体を清潔に保つことは、犬の被毛についたアレルゲンを減らすことに繋がります。
しかし、過度なシャンプーは犬の被毛や皮膚にとっては良くないため、月に1回程度にしておきましょう。散歩から帰った時にも犬の体や足の裏を拭いて清潔にするようにしましょう。
ブラッシング
ブラッシングは毎日行い、抜け毛やムダ毛を取り除くようにしましょう。それぞれの犬の毛に合ったブラシを選ぶことも大切です。
また、他の部屋に毛が飛び散らないよう、ブラッシングする場所も決めておくと良いでしょう。
犬種によってアレルギーの出やすさは違う?
犬アレルギーが絶対に起こらない犬種というものはありませんが、長毛の犬種よりも短毛の犬種のほうが掃除やシャンプーが容易で、飼育環境や犬の体を清潔に保ちやすいことから、比較的症状を引き起こしにくいと考えられてます。
当院でもアレルギーの相談やアレルギー検査が可能です
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