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胃腸炎が流行|感染性胃腸炎の原因・症状・予防策を解説

感染性胃腸炎とは?

ウイルスや細菌が原因でおこる胃腸炎を感染性胃腸炎といいます。突然の嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状を起こします。原因になる微生物は、細菌、ウイルス、原虫、寄生虫、真菌などさまざまです。感染性胃腸炎の中でもっとも多いのは、ウイルスにより起こるウイルス性胃腸炎と、細菌によって起こる細菌性の腸炎です。

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎は、主にノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスの3つが原因とされています。

ノロウイルス

ノロウイルスは秋から冬にかけて感染が爆発的に流行し、強い嘔吐・下痢症状を引き起こしますが、比較的早期に治癒されることが多いです。

ロタウイルス

ロタウイルスは高い発熱を伴い、下痢が長引くことがあります。

アデノウイルス

アデノウイルスは下痢が主な症状で、脱水症状はあまり重くありませんが、胃腸の症状以外に喉の痛みや高熱、結膜炎などの症状が現れることがあります。

細菌性腸炎

細菌性腸炎は、病原性大腸菌、サルモネラ菌、ウエルシュ菌などが原因となります。症状は主に腹痛、下痢、血便などの下腹部症状です。

感染経路

感染性胃腸炎の感染経路はおもに2つ。感染者から感染を広げる「接触感染」(人から人への感染)と、病原体が汚染した食物などを口に入れることで感染する「経口感染」(食べ物から人への感染)です。
接触感染は看護者が罹患者の下痢や嘔吐物などの処理を行う際に手指に付着したり、消毒が不十分だったりした場合、また乾燥してほこりなどと一緒に吸い込まれることに寄って感染が広がります。
経口感染は、ウイルスや細菌に汚染された食物を適切に加熱処理しなかった場合や、感染者が調理した食品を食べたりした場合などがあります。同様に、汚染された水を摂取することも感染の原因となります。

潜伏期間や症状がある期間

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌などの病原体に感染することで発症します。以下に感染性胃腸炎の潜伏期間と発症器官について詳しく解説します。

潜伏期間

感染性胃腸炎の潜伏期間は、ウイルスや病原体によって異なります。
ノロウイルス   24時間~48時間で激しい症状が起きる
ロタウイルス   1~3日
腸管出血性大腸菌 5時間~72時間以内
サルモネラ菌   1日~3日程度
腸炎ビブリオ   10時間~24時間以内

症状がある期間は発症後おおよそ数日から1週間程度です。一部の感染性胃腸炎、特にウイルス性の場合、急激に症状が現れることがあります。また、これらの期間は一般的な目安であり、個々の体調や症状、病原体の特性によって異なることがあります。

かかりやすい時期・季節

感染性胃腸炎は、毎年、流行しやすい時期があります。ウイルスは低温で湿気の少ない環境を好むため、冬はウイルスが、逆に細菌は高温多湿の環境を好むため、梅雨の時期から夏にかけて流行します。
具体的には感染性胃腸炎は主に乾燥してくる初冬から増加し始め、12月頃にノロウイルスが流行のピークを迎えます。その後、春になるに連れてロタウイルス、夏になると腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなどの細菌による感染性胃腸炎が増加し、その後減少していきます。
ただし、これらのウイルスや細菌は私達の身近に一年を通して存在しています。流行してなくても感染する可能性があるので、子どもや高齢者、免疫力が低下している人たちは注意が必要です。

対処法・治療法

  • 水分補給: 下痢や嘔吐により水分や電解質が失われるため、水分補給が非常に重要です。特に小さな子供や高齢者は脱水しやすいため、十分な水分補給が必要です。経口補水液(ORS)や塩分と糖分を含む飲み物が有用です。
  • 食事の注意: 胃腸の炎症が続く場合、過度な刺激を避けるために穏やかな食事が勧められることがあります。無理に食べなくても良いですが、体力回復のためには適度な食事が必要です。
  • 安静: 体力が低下している場合や症状が重い場合は、十分な休息が必要です。安静にして充分な睡眠をとることが大切です。
  • 薬物療法: 対症療法として、吐き気を和らげるための薬や、痛みを緩和するための薬が処方されることがあります。抗生物質は、細菌性感染に対してのみ効果があり、ウイルス性感染には効果がありません。
  • 医師の診察: 重症な場合や高齢者、免疫不全患者などは、医師の診察を受けて下さい。場合によっては、入院が必要なことがあります。

感染性胃腸炎の治療においては、個々の症状や体力状態に合わせて対応する必要があります。自己判断で抗生物質を使用することは避け、医師の指示に従って治療を行うようにしましょう。

まとめ

感染性胃腸炎は通常、自然治癒に向かうことが多いため、最も重要な治療は十分な水分補給です。通常、医薬品による積極的な治療は行われませんが、症状がひどかったり水分が取れない状態になってしまった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

感染性胃腸炎の予防には、適切な手洗い、食品の適切な調理、感染源との接触を避けることが重要です。もし感染してしまった場合は、周囲の人にうつらないように注意深く処理や消毒を行うよう心がけましょう。

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