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【要チェック】小児用肺炎球菌ワクチンが4月以降変更になる?!|副反応は?違いは?解説

現代の乳幼児は多くの予防接種を受けます。
その中のひとつ「小児用肺炎球菌ワクチン」が、2024年4月から変更になる見込みです。
どのような変更なのか、しっかり確認しておきましょう!

もし肺炎球菌に罹ってしまうとどうなるのか

肺炎球菌とは、「肺炎レンサ球菌」という、肺炎などの呼吸器の感染症や全身性感染症を引き起こす細菌のことです。
多くの子どもが、喉や鼻の奥に当たり前に持っているとても身近な菌といえます。
もちろん、生まれたばかりの赤ちゃんは肺炎球菌を持っていませんが、他の子と遊んだり、保育所に通うようになったりする過程で、半数以上の子どもが気付かぬうちに菌をもらいます。
菌を持っているだけでは、特に害はありませんが、月齢の低い子どもは肺炎球菌への抵抗力が弱いため、肺炎球菌由来の病気に罹りやすくなります。

また、月齢が低くなくても、風邪をひいて、鼻や喉に症状が出たり、痰が増えて出し切れなくなると、肺炎球菌はあっという間に増えてしまい、よくいう「風邪をこじらせた」状態になります。
この時に悪化すると、中耳炎や副鼻腔炎、肺炎を引き起こします。
さらに、この肺炎球菌が全身に広がってしまえば敗血症を引き起こしますし、髄膜炎や骨髄炎、心内膜炎などになってしまうと、後遺症が残ってしまう可能性も出てきます。

乳児の定期予防接種に肺炎球菌ワクチンが導入される前は、3歳未満の子どもの菌血症(傷口から細菌が血液中に侵入すること)の8割以上が肺炎球菌によるものだったといわれています。

着々と効果を増してきた肺炎球菌ワクチン

日本で肺炎球菌ワクチンが導入されたのは2010年でした。
この年に導入されたのは7価ワクチンで、その3年後の2013年には13価ワクチンに切り替えられました。
それから8年後の2021年には15価ワクチンが開発され、2024年4月からは定期接種が切り替わる見込みであると言われています。

この「価」というのは何かご存知でしょうか。
肺炎球菌という細菌は厚い膜に覆われており、その膜の表面にある多糖体の種類によって97種類の型に分かれます。
「7価肺炎球菌ワクチン」というは、その中でも重い感染を起こす頻度の高い、7種類の型(4/6B/9V/14/18C/19F/23F)に効果のあるワクチンでした。
そこからさらに6種類の型(1/3/5/6A/7F/19A)にも効果があるワクチンが開発され、これが「13価ワクチン」と呼ばれるようになりました。

生後2ヶ月からの接種は可哀想?

2013年から定期接種となっている「13価ワクチン」は、現在では、生後2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月の合計3回の接種を行い、さらに1歳になったら追加接種を行うことになっています。

生後2ヶ月からと聞くと、「なぜそんなに早く打たなければならないのか」と懐疑的になってしまう方もいるかもしれません。
ですが、この「人が当たり前に持っている」肺炎球菌による重い症状を予防するためには、この細菌が子どもの鼻や喉に入ってしまう前に、ワクチンを接種する必要があるのです。
そのため、生後2ヶ月から接種を開始することは妥当であるといえるでしょう。

小児用肺炎球菌ワクチンの接種後には、他のワクチンでも見られるような副反応が起こることがあります。
よく起きる症状としては、接種した箇所が赤くなったり腫れたり硬くなったりすることです。
また、熱が出たり、いつもよりも過敏な反応を示したり、食欲がなくなったり、うとうとするような状態も見られるかもしれません。
通常、こうした症状は一過性のもので、長くても数日で治まります。
しかし、接種部位の赤みや腫れなどが腕全体に広がったり、高熱が2日以上続く場合は医療機関を受診しましょう。
また、非常にまれですが、重い副反応として、アナフィラキシー反応やショックを起こすことがありますので、その場合はワクチンを接種した医療機関にすぐに相談し受診しましょう。

新しい肺炎球菌ワクチンの内容は

2013年から定期接種されている「13価ワクチン」ですが、2024年4月からは順次「15価ワクチン バクニュバンス®」が新たに導入される見込みとなっています。
これは今までの13価ワクチンに加えて、追加で2種類の型(22F/33F)にも対応したワクチンとなっています。

90種類以上ある肺炎球菌ですが、現在でもワクチンに含まれていない型の肺炎球菌への感染が増えていることから、新しいワクチンの開発が進められています。

これまで日本では、子どもの発熱時などに抗菌薬を多く使ってきたため、薬が効きづらくなった肺炎球菌が増えているといわれています。
こうした「耐性菌」には薬の量を増やしたり、新しい薬を使ったりすることで治療することが可能ですが、まずは病気に罹らないことが重要です。
そのためにも、ワクチンで予防をすることが必要不可欠といえるでしょう。

当院でも乳幼児ワクチンの接種が可能です

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