排尿痛・血尿・頻尿
排尿痛・血尿・頻尿について
排尿時の痛みや違和感を「排尿痛」と呼び、尿の通り道(尿路)の中で出血し、尿に混ざって排出されたものが「血尿」です。「血尿」は尿路内での出血の量によって「肉眼的血尿(尿が赤くなる)」~「顕微鏡的血尿(見た目は正常な尿の色)」となります。
このように排尿痛や血尿は、違和感を覚える程度の痛み~激しい痛み・我慢できない痛み、真っ赤な尿から目で見てはわからない血尿まで、症状は人によって異なります。
頻尿は一般的に日中8回以上の排尿がある場合、頻尿とすることが多いです。
排尿痛・血尿・頻尿の主な症状について
排尿痛は細菌感染や粘膜に傷がつくことで起こる場合が多く、痛みを感じるのはからだの異常を知らせるサインです。また、血尿は細菌感染や粘膜に傷がつくことで起こる場合が多いですが、外傷(交通事故やおなかを強打する)など外部からの強い衝撃などで尿路に損傷(傷つく)ことでも起こりえます。頻尿は水分摂取の多い方、こまめにトイレに行こうと気にかけている方、膀胱や前立腺などの問題もあります。
初期排尿時痛
排尿し始めに感じる痛み。
尿が炎症している部位に触れた際に刺激が生じて痛みます。
我慢できず焼けるような痛みとして感じることが多いです。
疑われる病気
- 尿道炎
- 淋菌感染病
- クラミジア感染症
- 前立腺炎
- 尿道結石
終末時排尿痛
排尿終了時に感じる痛み。
膀胱上皮が互いに接触して生じる痛みです。
尿道部にズキッとした痛みやツーンとした痛みを感じることが多いです。
疑われる病気
- 膀胱炎
- 急性膀胱炎
- 前立腺炎
- 腎盂腎炎
- 尿路結石
全排尿時痛
排尿の間ずっと痛み感じる状態。
強い炎症により尿の通過時に持続的に痛みが生じます。
膀胱炎が再発して続いたため慢性化していることが多いです。
疑われる病気
- 高度な急性膀胱炎
- 間質性膀胱炎
- 腎盂腎炎
- 尿道狭窄症
血尿
血尿といっても色は様々です。
赤茶~黒っぽい色 | 尿に血液が混ざってから排出されるまでに時間を経過していると考えられます。 腎臓や尿管などでの出血が疑われます。 |
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真っ赤~ピンク色 | 尿に血液が混ざってから間もないと考えられます。 尿の出口に近い尿道や膀胱からの出血が疑われます。 |
濃い赤色 | 悪性腫瘍の早期の段階で現れやすい症状です。 できるだけ早めに受診をしていただくことをお勧めします。 |
血尿と似た感じで「オレンジ色の尿」になることがあります。「オレンジ色の尿」は体の水分が不足(脱水)によって尿が濃縮されていることが多いです。しっかり水分を飲んでいただくと尿の色が自然な色に戻ることがほとんどです。しかし、しっかり水分を飲んでいるにも関わらず「オレンジ色の尿」となる場合には病気が隠れている場合もありますので、受診をお勧めします。
排尿痛・血尿・頻尿の原因について
排尿痛の大半は尿道で起きた感染症が原因です。
基本的には体の防御反応により発症はあまりないのですが、疲れやストレスの負荷により抵抗力が落ちているときには発症しやすくなります。
その他には性交渉による感染が原因となることも多くあります。
痛みの他に膿やかゆみなどの違和感が発症します。
性感染症は自覚症状を感じづらく、気づかない内に進行するケースも多いため日頃より避妊具の装着や予防への意識が大切です。
また、排尿痛の原因でもっとも多いのは病気の影響になります。
膀胱炎
排尿の終了時に痛みが発症します。
細菌が膀胱内に進入し、粘膜に感染して炎症を起こします。
この状態で排尿を行うと膀胱が強く刺激され、下腹部や尿道口に痛みを感じます。
炎症が強いと血尿がみられる場合もあります。また、膀胱炎で多い残尿感を感じることでトイレに行く回数が増える(頻尿)となる場合もあります。
前立腺炎
排尿の開始時に痛みを感じます。
尿道から大腸菌やブドウ球菌が侵入。前立腺に感染し炎症を起こします。
頻尿・残尿感がみられることもあり、炎症が強くなると高熱・倦怠感など全身症状を起こす場合もあります。
腎盂腎炎(じんうじんえん)
排尿の間じゅう痛みを感じる状態が続きます。
腎盂(じんう)や腎臓に細菌が感染し炎症を起こします。
尿道口から侵入した細菌が尿道、膀胱、尿管とさかのぼり腎盂にまで到達して発症します。
背中や腰に痛みを感じる症状が多く、尿中の白血球の増加するため尿の濁りも見られます。
尿道炎
排尿中、強い痛みを感じます。
性行為によるクラミジア菌や淋菌などへの感染で発症します。
透明、淡い黄色や白色の膿が尿に混じってみられる際は受診をおすすめします。
進行すると尿道狭窄症の原因となります。
尿管結石
突発的に痛みを感じます。
腎臓でできた結石が尿の流れで尿路を傷つけ、詰まることで痛みや血尿が出てきます。
結石の大きさや詰まる場所により治療法も異なります。
排尿痛・血尿・頻尿の治療方法
飲水制限などの生活習慣改善から薬物療法・手術など、症状や疾患に対しての治療法はさまざまです。
排尿痛・血尿・頻尿など違和感を感じたらまずは受診をおすすめします。