花粉症
花粉症の基本的な特徴
花粉症とは、体の中に侵入した花粉に対する過剰な免疫反応のことを指します。免疫反応は本来、異物を除去するための反応です。しかし、過剰に反応してしまうことでアレルギーとなって症状が現れます。
花粉症は花粉の種類によって症状が異なります。主な症状は、鼻水やくしゃみ、鼻づまり、涙などです。花粉の種類によって症状が異なり、例えば、シラカンバでは肌荒れや喘息、咳などが現れます。
花粉症は、体内に花粉が入ったからといってすぐに発症するわけではありません。通常、数年から数十年の間、花粉を浴び続けることで、抗体(こうたい:異物を除去する物質)が一定の量に達することで発症します。
近年では花粉の量が増加しているためこの期間が短くなり、小さな子どもでも花粉症の発症が見られています。
花粉の一般的な飛散時期
花粉症の飛散時期は地域により異なります。例えば、関東地方では以下のように飛散します。
花粉の種類 | 飛散時期 |
---|---|
スギ | 1月初旬から5月下旬まで。2月から4月の間でピークを迎える。 |
ヒノキ | 1月中旬から6月中旬まで。3月中旬から4月下旬の間でピークを迎える。 |
ハンノキ | 1月初旬から6月下旬まで。3月中旬から4月中旬の間でピークを迎える。 |
シラカンバ | 4月中旬から6月下旬まで。 |
春以降も、6月から8月はイネ科花粉(カモガヤ)、8月から10月は雑草類(ブタクサやヨモギ)が飛散します。各地域の花粉の飛散時期は、環境省の花粉情報サイトなどでチェックできます。
花粉症の主な3つの治療方法
花粉症の治療方法は主に以下の3つに分類されます。
治療方法 | 詳細 |
---|---|
薬物療法 | くしゃみや鼻づまり、鼻水などの症状を改善するためにアレルギー反応を抑える内服薬を用いる治療。鼻づまりには点鼻薬、涙には点眼薬なども用いる。 |
手術療法 | アレルギー反応を抑制するレーザー治療、鼻の中を矯正により鼻づまりを改善する手術、鼻の神経を切って鼻水を抑制する手術などがある。 |
アレルゲン免疫療法 | アレルギーの原因となるエキスを定期的に皮下注射や舌下内服により投与することで、アレルギー反応を起こしにくくする治療。 |
アレルゲン免疫療法は、寛解(かんかい:症状がおさまっている状態)を目指せる治療方法で、現在主流となっています。しかし、実施できる医療機関は限られているという欠点もあります。
花粉症対策で基本となる3つのポイント
花粉症対策で基本となる3つのポイントは以下の通りです。
- 花粉症を正しく理解する
- 症状が悪化する前に治療を始める
- 市販薬や民間療法には注意する
それぞれの詳細を解説します。
1.花粉症を正しく理解する
花粉症を発症または悪化させないためには、花粉症について正しく理解することが大切です。例えば、悪化を予防するのであれば、以下のように自分のアレルゲン(アレルギーの原因)に応じた対策が必要です。
- 検査により自分のアレルゲンを特定する
- アレルゲンとなる花粉はいつからいつまで飛散し、いつごろに飛散のピークを迎えるのかを把握する
薬物療法も重要ですが、以上のような基本的な対策により体に花粉を侵入させないようにしましょう。
2.症状が悪化する前に治療を始める
花粉症は、症状が悪化してから内服を開始しても高い治療効果を期待できません。そのため、花粉の本格的な飛散が始まる前、または軽度の症状が現れ始めたときに内服を始めてください。
適切な時期に治療を始めるためにも、自分のアレルゲンである花粉の飛散時期を把握することが大切です。
3.市販薬や民間療法には注意する
自己判断で市販薬や民間療法を実施する際は注意が必要です。例えば、市販のスプレー薬を使用する際は、血管を縮める効能が含まれているかどうかを確認する必要があります。
血管を縮める効能が含まれているスプレー薬を頻繁に使うと鼻の粘膜が腫れてしまい、鼻づまりが悪化する恐れがあるためです。
また、甜茶(てんちゃ)ポリフェノールやヨーグルトなどが、アレルギーの作用を抑えると言われていますが、効果が明確に証明されたわけではありません。いずれにしても、医療機関で自分のアレルゲンを特定して、適切な治療を受けることが大切です。
花粉症の発症・悪化を予防する主な5つの対策
花粉症の発症または悪化を予防するには、何よりも体に花粉を入れないことが大切です。体に花粉を入れないために以下の対策をとりましょう。
対策 | 詳細 |
---|---|
1.外出時はマスクを着用する | マスクは吸い込む花粉を1/3〜1/6に減らす効果が期待できる。 |
2.帰宅時にうがいをする | のどに付着した花粉を除去できる。 |
3.帰宅時に洗顔をする | 頭や顔には花粉が付着しやすい。洗顔により顔に付着した花粉を落とすことができる。 |
4.外出時は化学繊維の服を着る | 表面がサラサラした化学繊維の服は花粉が付着しにくい。 |
5.外出時はメガネを着用する | 目に入る花粉を1/2〜1/3まで減らす効果が期待できる。ただし、目の症状が軽減できると明らかにされているわけではない。 |
花粉症 TOPICS
花粉症について正しく理解して発症・悪化を予防しよう
花粉症の発症または悪化を予防するには、飛散が多い時期に体に花粉を入れない対策をとることが大切です。治療においては、まず自分のアレルゲンを特定したあとに、原因となっている花粉の飛散時期を把握してください。その後、飛散が始まる前、もしくは症状が悪化する前に治療を進めることで効果が期待できます。アレルゲンの特定が済んでいない方は、まずは医療機関でアレルギー検査を受けましょう。
大森町駅前内科小児科クリニックでは、アレルギーでお悩みの方に対して舌下免疫療法を含む幅広い診療・治療をおこなっております。平日だけでなく土日祝も診療しておりますので、普段は仕事でお忙しい方にも安心してご受診いただけます。何に対するアレルギーかわからずお悩みの方、花粉症やぜんそくでお悩みの方などお気軽にご相談ください。