インフルエンザの治療薬

インフルエンザの治療薬

インフルエンザについての質問でよく伺うのが薬についての質問です。
インフルエンザは基本的に自然に治る病気ではありますが、2歳未満もしくは65歳以上の方や妊婦の方、持病のある方は重症化する可能性があったり、感染を拡大の要因となることもあります。
そのため、発症した際には薬の内服を推奨いたします。
何もしなくてもインフルエンザの症状は5〜7日で自然に改善するのに薬を使用する理由は、薬を使った場合と使わなかった場合で比較すると発熱などの症状がある期間が1日前後短縮されることがあるのです。
ですが、これは健康な方の場合にのみ適用され、再度の記述となりますが、持病がある方や小児、高齢者の方は死亡リスクや入院リスクがありますので、それを減らすためにも内服がおすすめです。

治療薬の種類について

インフルエンザの治療薬は大きく分けて、飲み薬・吸入薬・点滴の3種類があります。

飲み薬・タミフル
・ゾフルーザ
・麻黄湯
吸入薬・イナビル
・リレンザ

現在使われているインフルエンザ治療薬は「ノイラミニダーゼ阻害薬」

オセルタミビルリン酸塩(タミフル)

全世界で使用されている抗インフルエンザ薬。
A型・B型両方のインフルエンザの増殖を防ぐといわれており、37.5kg以下の幼小児にも使用可能な飲み薬。

副作用

下痢、腹痛、吐き気など

用法・用量

成人及び体重37.5kg以上の小児1回75mgを1日2回、5日間経口投与
幼小児2mg/kg(ドライシロップ剤として66.7mg/kg)を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与
新生児、乳児3mg/kg(ドライシロップ剤として100mg/kg)を1日2回、5日間、用時懸濁して経口投与

ザナミビル水和物(リレンザ)

リレンザはA型・B型両方に有効といわれている吸入薬。
粉薬を直接気道に届けることで、ウイルスの増殖を抑えることが期待できる。
喘息など呼吸器に病気のある人は、気道に対する刺激になり喘息発作を誘発する可能性があるため注意が必要。

副作用

下痢、発疹、吐き気、蕁麻疹など

用法・用量

1回10mg(5mgブリスターを2ブリスター)を1日2回、5日間吸入

ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル)

A型・B型インフルエンザに対する治療薬。この薬は長時間作用型なので、1回使用するだけでいいというのが特徴の吸入薬。
喘息など呼吸器に病気のある人は、慎重に使用する必要がありますので、医師に相談するようにしましょう。

副作用

下痢、頭痛、吐き気、蕁麻疹など

用法・用量

成人及び10歳以上の小児
(吸入粉末剤)
単回投与の場合2容器(2日間投与の場合1回あたり1容器)
10歳未満の小児1容器 吸入懸濁用 160mgを生理食塩水2mLで懸濁し、ネブライザーを用いて単回吸入

ペラミビル(ラピアクタ)

ラピアクタはインフルエンザウイルスの増殖抑制効果が期待できる点滴。
吸入や内服ができない場合に選択肢となる。

副作用

下痢、吐き気、嘔吐など

用法・用量

成人300mgを15分以上かけて単回点滴静注
重症化するおそれのある場合は、1日1回600mgを15分以上かけて点滴静注、症状に応じて連日反復投与
小児10mg/kgを15分以上かけて単回点滴静注
症状に応じて連日反復投与、投与量の上限は1回量600mgまで

インフルエンザ治療薬の副作用について

インフルエンザ治療薬は、吐き気、下痢、口内炎、めまい、頭痛、不眠などさまざまな副作用の報告があります。
また、因果関係は判明していませんが、薬を服用後の異常行動にも十分気を付け、未成年の場合にはひとりにしないなどの配慮が必要です。

インフルエンザの新治療薬「ゾフルーザ」。従来薬との違い

ゾフルーザは2018年2月に登場した抗インフルエンザ薬で、1回服用するだけでいいという今までにない飲み薬。
これまでの抗インフルエンザ薬はノイラミニダーゼ阻害薬のみでしたが、ゾフルーザはエンドヌクレアーゼと呼ばれる別の作用機序で効果を発揮します。
インフルエンザウイルスを消失させる速度が速いといわれており、周囲の人への感染を減らせるのではないかとの期待されています。
ただ、薬剤相互作用や副作用については未知であり、その安全性は確定されていません。
そのため、日本小児科学会は12歳未満の服用については推奨しないとしています。

バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)

用法・用量

成人及び12歳以上の小児20mg錠2錠または顆粒4包を単回経口投与
体重80kg以上の患者には、20mg錠4錠または顆粒8包を単回経口投与
12歳未満の小児体重40kg以上:20mg錠2錠または顆粒4包を単回経口投与
体重20kg以上40kg未満:20mg錠1錠または顆粒2包を単回経口投与
10kg以上20kg未満:10mg錠1錠を単回経口投与

子供でも使用できるインフルエンザ薬

抗インフルエンザ薬は患者さんの年齢や体重、状態などを考慮し使用することが必要です。
幼児の場合は飲みやすいタミフルを使われることが多いようです。
5歳以上になると錠剤、カプセル、吸入剤などさまざま剤形の薬が服用できるようになりますが、確実に飲める形の考慮が必要です。

まとめ

38℃以上の高熱や関節の痛みがある場合はまずインフルエンザを疑い速やかに医療機関を受診しましょう。
抗インフルエンザ薬は医師の処方が必要となるため一般の薬局や薬店では買えません。
特に子供がインフルエンザ治療薬を使用するときは注意が必要ですので、医師の指示に従い正しい方法で服用するようにしましょう。

参考